マツヘリカメムシ

マツヘリカメムシ(4/1)

マツヘリカメムシ(4/1)

少しマニアックなカメムシの話題です。先日(4/1)、珍しいカメムシを見つけました。場所は都立小金井公園。お花見をかねて公園内の江戸東京たてもの園を訪れた時のことです。ここには江戸時代の民家から昭和初期のモダンな洋館など歴史的な建造物が移築・復元されています。そのひとつの建物に入ったところ、階段に裏返しになったカメムシを発見。暖かくなり出てきたのでしょうが、かろうじて足を動かす程度でほとんど動きません。見覚えない種類だったので、そっとティッシュに包んで持ち帰りました。

さて、愛用の「カメムシ図鑑」で調べましたが該当するものがありません。後ろ脚の団扇のようなふくらみが特徴的なのですぐ分かると思ったのですが、そのような写真は見当たりません。インターネットで調べてやっと分かったのが「マツヘリカメムシ」。日本では2008年にしかも今回見つけた小金井市で確認されたのが初めての記録で、その後首都圏を中心に報告例が増えてきているとのことです。珍しいものを見つけてちょっと顔がほころびました。私の図鑑は古いものですから載っていないのは当然ですね。「マツヘリカメムシ」という和名も発見時に新しく付けられたそうです。

このカメムシ、本来は北米西部原産なのですが、2000年以降ヨーロッパに移入し急速に生息域を拡大しているそうです。日本でも同じように広がる可能性があります。すでに都内では普通種になっているのかもしれません。学校周辺でも探してみたいと思います。情報をお持ちの方は是非ご連絡下さい。体長は2㎝弱。やや大きめのカメムシで、マツの新芽を害するそうです。

それにしても、虫の世界の変動も大きなものがありますね。このブログでもツマグロヒョウモンアカボシゴマダラムラサキツバメアオドウガネなど都内で最近増えている昆虫をを紹介してきました。今回のマツヘリカメムシはさらに新参の仲間です。外来種ですから生態系への影響が心配ですが、こうした昆虫の動向に注目するのも非常に興味深いですね。ますます虫の世界が楽しくなってきます。

ご意見・関連情報などありましたら、こちらまでご連絡ください。