ムラサキツバメ羽化

ムラサキツバメの前蛹(8/25)

ムラサキツバメの前蛹(8/25)

蛹化直後(8/27)

蛹化直後(8/27)

羽化直前(9/6)

羽化直前(9/6)

羽化直後(9/6)

羽化直後(9/6)

鮮やかな紫色のメス

鮮やかな紫色のメス

すっかり翅も伸びました

すっかり翅も伸びました

前々回紹介したムラサキツバメが羽化しました。数匹採集した幼虫は次々に蛹になりました。蛹になる前の幼虫はそれまでの緑色から茶色に変化します。しばらくすると左右の葉を引き寄せて丸い窪みをつくり動かなくなり、それまで扁平だった体が少し盛り上がってきます。写真2枚目は脱皮直後。左に脱皮殻が付いています。本来は、木から下りて根元の枯葉を利用して蛹になるようです。

そして、待つこと10日。羽化直前の蛹は色が黒くなります。この写真(3枚目)を撮ってから1時間後、するするっと成虫が羽化してきました。ちょこちょこ動き回って翅を伸ばす場所を探しています。飼育していたタッパーの蓋の裏側に逆さになって静止しました。私が蓋を動かすからでしょうか、途中で翅を開いて歩き出しました。紫色が鮮やかなメスの個体です。「ツバメ」の名の由来となる尾状突起も伸びてきました。

ムラサキツバメは本来南方系のチョウで、都内では2000年以降しばしば見られるようになってきました。温暖化に加えて街路樹にするマテバシイの移植にあわせて北上していると考えられています。ただし、成虫で越冬しますから、多摩丘陵の寒い冬を乗り切っているかどうかは疑問です。湘南地方などで越冬した個体が発生を繰り返して多摩までやってくるとの報告もあります。横浜や23区内では越冬が確認されているようですので、今後、冬から春先の観察が課題です。

さて、アリ付きで飼育してみましたが、幼虫とアリとの関係はあまりよく分かりません。これについても、今後いろいろ工夫してみたいと思います。

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