ルリタテハ

ルリタテハ(3/28)

ルリタテハ(3/28)

学校は春休み。今日(3/28)は自然科学部の生徒達と学校の裏山を歩いてきました。気温は20℃を越え、5月初旬並みのポカポカ陽気です。この暖かさでチョウ達も活動を開始しました。まず最初にお目にかかったのはアゲハ。神社の脇で我々の頭上を通過していきました。畑では黄色の花をつけたアブラナの周りでモンシロチョウも飛んでいました。この2種類は越冬していた蛹が羽化したものです。3月にアゲハを見るのは珍しいと思います。

日当たりの良い雑木林の縁ではキチョウキタテハが現れました。この2種類は成虫で越冬していたものです。成虫で越冬するチョウは冬でも暖かい日には飛び立ちます。先日は同じ成虫越冬しているウラギンシジミも見かけました。そして、雑木林を抜けた道路脇で出会ったのが写真のルリタテハです。道路と言っても行き止まりになっていて人はほとんど通らない場所です。ルリタテハも成虫で越冬しています。写真の上に写っている動物の糞(?)にひかれているようで、我々が近づいても逃げずに被写体になってくれました。

ルリタテハは越冬した成虫が4月に産卵し、その後1年に2~3回世代を繰り返します。幼虫の食草はサルトリイバラですが、他に庭先に植えられているホトトギスもよく利用します。我が家の庭でも毎年見られますし、前に務めていた調布のJ高校でも校庭のホトトギスで採集した幼虫を羽化させたことがありました(2014年の羽化の様子)。ところで成虫で越冬するチョウの場合、交尾はいつ行われているのでしょうか。秋に交尾を済ませメスだけ越冬する場合もあるようですし、種によっては春になってからの交尾の記録も報告されています。ルリタテハの場合はどちらなのでしょうか。

ルリタテハの魅力は何といっても2本のルリ色のラインです。黒の地色とのコントラストで一層その美しさが際だっています。鳥や昆虫の世界でのルリ色は宝石のような輝きを放っていますね。ちなみに日本の昆虫の中で最も美しいルリ色はルリボシカミキリだと思っています。ともあれ、5種のチョウに出会えて心はウキウキ。いよいよ春本番です。

 

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