ルリタテハの幼虫・羽化
校庭の植え込みでルリタテハの幼虫を見つけました。9月22日に校舎の角にあるホトトギスの葉の裏に4匹発見。26日に再度探したところ1匹だけになっていました。どこかに移動してすでに蛹になっているのかもしれません。残された1匹を採集して飼育してみました。
ルリタテハの幼虫は何とも毒々しい姿をしています。オレンジ色に黒のブチブチ模様はいかにも「私はには毒があるから近づくんじゃないよ」と警告しているようです。おまけに体中に付けた針のようなトゲトゲで「触ったら痛い目にあうよ」と脅しています。ところがこれは全くの見かけ倒し。毒もないし痛くもかゆくもありません。そう分かって余裕を持ってよく見ると鮮やかで美しく、いきがって強く見せようとしている姿にかわいらしさを感じます。休む時には体の前部を丸めているのが特徴です。
その幼虫、採集した次の日の27日には前蛹になって飼育ケースの蓋の裏にぶら下がりました。日曜を挟んで29日の朝には蛹になっていましたから、28日に脱皮したものと思われます。ケースの中には脱皮した幼虫時代の皮が縮まって落ちていました。このような垂れ下がる形の蛹は垂蛹と呼ばれています。アゲハチョウやモンシロチョウの蛹は帯のような糸で体を支えるので帯蛹と言います。蛹の背中に金色に光る模様があるのがこれまた綺麗です。
さて、待つこと8日。10月6日の朝、羽化して成虫になりました。これが秋を過ごし成虫で越冬して来年の春まで活動します。「無事に過ごせよ」という願いを込めて窓から放してあげました。
2014年10月8日 有岡 淳
カテゴリー:昆虫
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