テントウムシの冬越し
越冬中のテントウムシを見つけました。この日の目的はゴマダラチョウとアカボシゴマダラの幼虫探し。この2種のチョウは幼虫がエノキを食樹としています。秋に生まれた幼虫は、エノキが葉を落とすと木から降り根元の落ち葉に隠れて越冬します。その落ち葉を1枚1枚めくって幼虫を探すのですが、そう簡単には見つかりません。数本の木を調べたものの収穫はなく、最後に出合ったのがこの「エノキ」。尾根幹線の道路脇で、何故かこの木だけプレートが付けられています。
そのプレートの隙間を覗いたところ赤と黒に光るものあり。ナミテントウです。思わず顔がにんまりしました。20匹ほどの集団で越冬中。それほど大きな集団ではありませんが、プレートの裏に丸く仕切られたワクがあり、これと木の間にすっぽりと収まる適度な数のようです。プレートをずらすとごそごそ動き出したので、慌ててシャッターを切りました。
ナミテントウは同じ種の中にいろいろな模様をもつ個体がいます。黒地に赤い丸い紋を2つもつものが多いようですが、丸い紋が三日月型になったもの、紋が4つあるもの、赤地に黒い紋をもつものなど多種多様です。今回ちょっとビックリしうれしかったのはそのいろいろな模様を一度に見ることができたこと。写真の下の方に写っている赤地でほとんど紋の目立たない個体は、これまでもあまりお目にかかることがありませんでした。
隠れ家を暴かれたテントウムシたちは上へ下へと移動し始めました。今度は急いでプレートを元に戻しました。近くにいたものは元に戻っていきましたが、遠くまで歩いていってしまったものもいます。大丈夫でしょうか。3月になりだいぶ暖かくなってきましたが、まだまだ寒い日が続いています。春に元気な姿を見せるまで、もうしばらくゆっくり冬越しができるように、そっとしておいてあげましょう。
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