キンランとギンラン

キンラン(5/3)

キンラン(5/3)

ギンラン(5/3)

ギンラン(5/3)

5月3日は恒例の本校自然科学部「春の自然観察会」。今年は新入部員7名を迎え、昨年同様、学校を出発し、「多摩よこやまの道」から川崎市の黒川、稲城市の坂浜地域の雑木林や谷戸田を歩いてきました。「多摩よこやまの道」は多摩丘陵の尾根筋に整備された散策路です。多摩丘陵が古来「多摩の横山」と呼ばれていたことにちなんで名前がつけられ、クヌギやコナラの雑木林が残されています。

その雑木林の林床に見られるのが野生ランのキンランとギンラン。雑木林の木々が葉をつけ、やや光の量が少なくなった林床にキラリと輝く存在です。ササなどの下草が刈られ、地元の方々の保護もあって、キンランは結構たくさんの株が残されています。私は「たくさん」と感じますが、昔からの雑木林を知っている人にとっては、ほとんど無くなってしまった状況なのかもしれません。ギンランは本当にわずかしか見られません。

私とキンラン・ギンランとの出会いは25年前。稲城市のI高校勤務になった時のことです。当時I高校は開校10年目。多摩丘陵の雑木林を切り拓いて作られた新設校です。敷地内の一角に残された雑木林に何株ものキンランが保護されていました。他にエビネやタマノカンアオイなども残されていました。建築関係者の優れた知見に基づく配慮だったのだと思います。

そんな素晴らしい環境にありながら、私自身はそれまで多摩丘陵とはあまり縁のない生活でしたので、初めて見る植物ばかり。以来、授業の合間に図鑑片手に毎日のように学校の周りを歩いて、植物だけでなく昆虫、野鳥なども観察しました。3月のブログで紹介したシュンランともこの時の出会いです。観察に出かける毎に新しい発見があり、楽しくそして生物の教員として鍛えられた日々でした。I高校周辺は、今でも私の自然観察のフィールドです。今回の「自然観察会」もその一部を歩いてきました。

 

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