キイロテントウ
今回紹介するのはキロテントウ。大きさは5㎜にも満たない小さなテントウムシです。光沢のある鮮やかな黄色が実に美しく、そのものズバリのネーミングです。頭部と胸部が白く、胸部に2つの斑点があるのがチャーミングです。これが眼のようにも見えますが、胸の下に隠れるように本当の眼があります。胸の端の部分が透明で、これに透けるように2つの複眼が見えるところがおもしろいところです。頭を伸ばしていると4つの点がはっきり見えるようになります。
見つけたのは7月10日。外を歩いていると、彼らの方から飛んできて私のシャツにくっつきました。彼らと書いたのは大小2匹いたからです。大きい方がメスで、一回り小さい方がオスだと思います。採集用のケースや袋を持ち合わせていなっかたので、手のひらに入れてそっと握って持ち帰りました。ところが手を開いてみると小さい方が見当たりません。どうやら隙間から逃げてしまったようです。写真は大きい方のメスの個体です。
ナミテントウやナナホシテントウはアブラムシなどを食べる肉食性。ニジュウヤホシテントウはナスの葉を食べる草食性。これに対し、キイロテントウは植物の葉に付くウドンコ病菌などの菌類を餌とする変わり者です。幼虫も成虫もこれを食べます。白く粉を吹いたような葉に集まっていることがありますから、是非探してみて下さい。
2016年7月27日 有岡 淳
カテゴリー:昆虫
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