ネジバナ

ネジバナ(6/25)

ネジバナ(6/25)

巻き方は右巻きも左巻きも

巻き方は右巻きも左巻きも

 

 

 

ネジバナ。ピンクの小さな花をらせん状に名前の通りねじらせながら付けたかわいらしい花です。6月の初め頃から咲き始め、これから夏休み頃まで見られます。小さいながらもランの仲閒で、貴重な野生ランとして栽培する愛好家もたくさんいるようです。一つひとつの花を見ると、なるほどランの仲間だという特徴がよく分かります。ピンクの色は薄いものから濃いものまであり、ねじり方もきついものから緩いものまで様々、右巻き・左巻きも特に決まっていません。

日当たりの良い草地に生育します。といっても20㎝前後の背丈ですから、40~50㎝程の雑草に覆われているような場所には見られません。写真は構内の芝生の脇と学校裏の神社で撮影したものです。学校周辺で一番よく見られるのは多摩センター通りの中央分離帯。5月末に一斉に草刈りが行われた後の芝生は日当たり抜群。絶好の環境となっているようです。こうした場所は、今はシロツメクサやアカツメクサ、ブタナ、アカバナユウゲショウなどの帰化植物の生育場所となっていますが、そんな中で、日本の野生ランが頑張っている姿にはエールを送りたいですね。

ネジバナは別名「もじずり」とも呼ばれています。「もじずり」とは、現在の福島県信夫地方で作られていた摺り衣のこと。織物の乱れ模様が似ていることから付けられた名前です。百人一首に詠われていることでも有名です。
「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」
「もじずり」の乱れ模様のように私の心が乱れてしまったのは誰のせいでしょうか。と、心に秘めた「忍ぶ恋」を詠んだものです。個人的には「乱れ初める」という響きが気に入っています。島崎藤村の「初恋」にある「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき・・・・薄紅の秋の実に 人こい初めしはじめなり」と言う表現と重なり、恥じらいのある心の内が読みとれるように感じています。そんな恋心を感じさせるネジバナです。ちなみに花言葉は「思慕」です。

 

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