ウキクサの休眠芽

ウキクサの休眠芽

ウキクサの休眠芽

休眠芽から出芽したウキクサ

休眠芽から出芽したウキクサ

昨年10月のコラムでウキクサを紹介し、あわせて本校の自然科学部がそのウキクサの増殖について研究したようすも報告しました。今回、その研究結果を2月15日に行われた東京生物クラブ連盟主催の「生物研究の集い」で発表しました。発表者は中3の鈴木さん、谷川さん、百田さんの3名です。

ウキクサの増殖で興味深かったのは休眠芽の出現です。休眠芽は本来冬越しのために秋になると作られます。ところが、栄養分を与えず水道水だけで育てたものは、夏休み中にもかかわらず増殖せずに休眠芽を作り出しました。そこで今度は、休眠芽が休眠から目覚めて再び芽を出す条件を調べてみることにしました。

栄養分が無いために休眠芽ができたのですから、休眠を打破するためには栄養分が必要なはずです。確かに水道水だけのものに入れた休眠芽は出芽せず、栄養分を含む水に入れたものはちゃんと出芽しました。

次は温度と日照時間。ウキクサが出現するのは田んぼに水が張られた後の6月頃ですので、その頃の気温や日照時間を想定して実験しました。温度は25℃、20℃、室温(15~20℃)で比べたところ、25℃が他に比べて断然出芽の割合が高いことが確認されました。

次に温度を25℃にして、14時間照明、5時間照明、照明なし(暗室)で実験しました。14時間照明が最も出芽率が高いと予想しましたが、あにはからんやむしろ5時間照明の方が元気よく、照明なしでも半分以上は出芽しました。どうやら日照時間よりは温度が高くなることの方が重要な要因になっているようです。

3名の発表はよくまとまっていました。質問にもきちんと答えて立派な発表だったと思います。300人もの聴衆の前でマイクを握る経験は、彼女たちにとって大きな自信に繫がったことと思います。貴重な場を提供してくださっている東京生物クラブ連盟には大変感謝いたします。

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