エサキモンキツノカメムシ

エサキモンキツノカメムシ

エサキモンキツノカメムシ

理科助手のみなみ先生が、スズメバチ騒動の教室からもう一匹かわいいお客さんを連れて帰ってきました。エサキモンキツノカメムシです。長い名前ですがその長さにテンポがあって、名前自身が格好いい。「エサキ」は昆虫学者の江崎氏にちなんだ命名。「モンキ」は見ての通りの黄色い紋。肩(前胸部)の左右が尖っているのが「ツノカメムシ」の特徴です。長くとも一度聞いたら忘れられない名前です。

そして、何と言っても背中のハートマークがかわいらしい。まさにカメムシ界のアイドル。カメムシと聞いただけで顔をしかめる女生徒からも好感度ナンバーワンです。近い仲間に「モンキツノカメムシ」という別の種もいますが、こちらは黄色の紋にハートの切れ込みが無く、ただの丸みを帯びた逆三角形。これだけの違いでアイドル度が全く違ってくるのは人間の社会でも同じことのようです。

見た目もさることながら、このカメムシの人気の秘訣はかいがいしい子育ての姿です。一度に50個以上の卵を葉の裏などにまとめて産むと、お母さんはこれに覆い被さるようにして子守の体制に。卵がふ化して2齢幼虫になるまでの10日から2週間、一時たりとも離れることなく守り続けます。親の保護がないと寄生バチやアリなどの影響でふ化できないものが多くなるそうですから、本当に大切な仕事なんですね。

さて、このエサキモンキツノカメムシは成虫で越冬し春になってから活動を再開したものです。これから産卵して子育てに入ります。またどこかで再会できることを願って、窓からそっと放してあげました。

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