スズメバチ騒動顛末記

完全にダウンしたと思ったのですが・・・

完全にダウンしたと思ったのですが・・・

リンゴをなめて元気回復

リンゴをなめて元気回復

4月末の2時間目、高校2年生の教室に歓迎されぬ珍客出現。キイロススメバチ。生徒達はキャーキャー騒ぎ、一瞬のうちに教室は大パニック。果敢な男子生徒2人を残し、ほとんどの生徒が廊下に退散。隣の教室からは「スワ一大事?」と見物人も。急報を聞きつけ理科助手のみなみ先生が捕虫網を手に馳せ参じたところ、A君とB君がテニスのラケットを手に孤軍(?)奮闘中。2人はラケットを捕虫網に持ち替えゲットに成功。みなみ先生がこれを毒ビン(神経を麻痺させる酢酸エチルが入ってる)に移して一件落着。

・・・とのはずでしたが、後から話を聞いた私が、すでに完全に死んでしまったと思い込んだハチを、毒ビンから出しっぱなししておいたところ、姿が見あたりません。しぶとくも復活して生物室を飛び回っているようす。慌てて部屋中を探すこと10分。カーテンの裏で再びゲットし、再度毒ビンへ。再び瀕死の状態になりました。しかし、ここでハタと考え直しました。このスズメバチは寒い冬を乗り切った新女王のはず。これから卵を産んでファミリーを支えていく一族の運命を背負った貴重な一匹です。逆に慌てて毒ビンから取り出し、復活を願いました。

今度は待つこと10分。ブーンという羽音が聞こえました。体全体はうなだれた状態なのに羽根だけを震わせ机の上をすべるように滑空しています。ケースに入れてようすを見ました。あまり元気はないようです。やはり2回の全身麻酔はダメージが大きかったのでしょうか。果汁が好物とのことなのでリンゴのかけらを入れてあげたとことおいしそうに舐めていました。リンゴでエネルギーを得た女王バチ、生物室で一泊した後、元気に飛び去っていきました。

それにしても高校2年生にもなって騒ぎすぎですよ。スズメバチは人を刺すために生きているわけではありません。こちらからちょっかいを出さなければ人に向かってくることなどほとんどありません。特にこの時期の女王はこれから巣作りをし卵を産むために必死ですから、人と戦って余分なエネルギーを使おうなどとはつゆも思っていません。攻撃性は弱いのです。窓を開けてそーっとしておけばそのうち外に出て行きます。それでも心配ならば私を呼んでください。捕虫網を持って喜んで駆けつけます。

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