コナラの芽生え
コナラの芽生えです。学校裏の雑木林で1ヶ月前の1月11日に撮影したものです。どんぐりの殻が割れて中から子葉が現れ根がしっかりと伸びていました。秋のうちに根を出し、寒い冬の中でも着実に春の準備を進めているのですね。まだ本葉の芽は伸びていません。どの段階から「芽生え」と呼ぶのか分かりませんが、「芽生えの赤ちゃん」という感じです。
コナラの種子は無胚乳種子といいイネのような胚乳が発達せず、栄養分を2枚の子葉に蓄えます。殻の中身はほとんどが子葉で、上の写真では赤い一つの実のように見えますが、下の写真で2枚の子葉に分かれているのが分かると思います。その子葉の間から根を伸ばします。どんぐりの先の尖った方が子葉の基部になりますので、根はどんぐりの先端から出てきます。
この写真の周辺にもたくさんのコナラのどんぐりがありましたが、発芽(発根)してしっかり根付いているのはこの2つだけ。多くは発芽しておらず、中には発芽はしたものの根付くことなく根が枯れてしまっているものもありました。一度プランターで発芽率を調べてみようと試みましたが、あまりよいデータを得ることはできませんでした。発芽から芽生えまでにはいろいろな障害があるようです。
落ち葉の下まで丹念に調べたわけではありませんのではっきりしたことは言えませんが、春の芽生えの数に比べて、この時期に根付いている「芽生えの赤ちゃん」の数は少ないように感じます。「秋に根を出す」といわれていますが、1~2月以降に根を出すどんぐりもたくさんあるのではないでしょうか。もう少し観察を続けてみたいと思います。
2014年2月12日 有岡 淳
カテゴリー:植物
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