ホウネンエビ

 

お腹を上にして泳ぐ

お腹を上にして泳ぐ

横向きになり脚の様子が分かります

横向きになり脚の様子が分かります

 

アマガエルの田んぼに何度か足を運んでいたところ、思いもかけずホウネンエビを発見しました。今まであまり気にかけることがなかったので私にとってはこの地域では初めての発見です。ホウネンエビは甲殻類(エビやカニの仲間)の中でミジンコなどと同じ鰓脚類に属し、ちょっと飛び出た2つの目と赤い尾がよく目立ちます。鰓の機能を持った11対の足を細かく動かしながらおなかを上にしてゆったり泳ぐ姿が特徴的です。以前流行したアルテミア(シーモンキー)も近い仲間です。

ホウネンエビは冬の間は卵で休眠し、田んぼに水が張られるとすぐに卵からかえって10日ほどで成体に成長するようです。寿命は1ヶ月ほどですから5月に田植えが行われる田んぼでは6月中旬くらいまでしか見られません。見つけたのは6月末で、この辺りでは最も遅く6月半ばに田植えが行われた田んぼです。光に集まる習性があるようで、夜の観察でライトを当てると、結構たくさん集まってきました。ちなみに、ホウネンエビは「豊年えび」で、これがたくさん見られる田んぼは豊作になるといわれています。

ところが、7月10日にもう一度見に行ったところ全く姿が見えません。しばらくねばってライトを当て続けていたところやっと1匹出現。すかさずゲットして持ち帰り写真に撮りました。やっぱり1ヶ月くらいでパタッといなくなってしまうんですね。短期間の出現のため農家の方も気がつかないことがあるようです。

さて、来年に向けての課題ができました。まず第一は、同じ田んぼで来年も発生するか確認すること。同じ時期に観察するのとあわせて、冬の間に田んぼの土をもらってきて生物室で発生を確かめてみたいと思います。二番目は、他の田んぼでも発生しているのかを調べること。今回見つけた田んぼは、水の中の生物が他の田んぼに比べて豊富なような気がします。他の田んぼでは出現していない予感がしますので5月中からしっかり観察してみたいと思います。

 

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