オンブバッタ

オンブバッタ(9/3)

オンブバッタ(9/3)

前回のショウリョウバッタに続けてオンブバッタを紹介します。この2種は色も形も似ていることから、「ショウリョウバッタとオンブバッタの違は?」などセットで取り上げられることがよくあります。今回たまたまタイミング良く両者の写真が撮れました。

私が小さい頃、近所の子供たちと野原で遊ぶときには必ず登場するバッタでした。見ての通りの姿ですから、子供たちも皆「オンブバッタ」の名前は知っていました。ただし、この名前はあくまで俗称であって、もっと立派な正式名称があるものだとばかり思っていました。「オンブ」状態でない1匹1匹を指して正式に「オンブバッタ」と呼ぶのは変だなと感じていたような気がします。

もちろん、お母さんが子供をオンブしているわけではありません。大きなメスが小さなオスを乗せています。と言うよりも、オスがメスを独り占めにするために常にメスの背中にしがみついていると言った方が正確です。2~3匹のオスがメスの背中をめぐって争いになることもあるようです。

バッタの仲間は交尾の際、ほとんどが「オンブ」状態になります。先日も田んぼのイナゴが「オンブイナゴ」になっていました。その「オンブイナゴ」も私の見ている少なくとも2時間ほどはその状態でした。オンブバッタは交尾の前後も含めてこの時間が非常に長いと言うこと。この状態でメスは葉を食べたりしますが、オスは何も食べません。どのくらいの時間オンブしているのでしょうか?

さて、「ショウリョウバッタとの違いは?」と聞かれれば、「ショウリョウバッタは8~9㎝でオンブバッタは3~4㎝、大きさが違うし、オンブ状態ですぐわかる」と言いたいのですが・・・。オスのショウリョウバッタは5㎝くらいと小さく、大きいオンブバッタと区別はつきにくい。オンブ状態でなければわからないかもしれません。顔がツルツルなのがショウリョウバッタ、顔に小さなイボイボがあるのがオンブバッタ、と言うのがはっきりした違いです。また、オンブバッタはイネ科の草だけでなく、花壇や畑の葉の広い植物にもやってきます。写真はナスの葉の上で見つけたものです。

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