ゼニゴケ

ゼニゴケ葉状体(杯状体も見えます)

ゼニゴケ葉状体(杯状体も見えます)

ゼニゴケ雄株・雄器托

ゼニゴケ雄株・雄器托

ゼニゴケ雌株・雌器托

ゼニゴケ雌株・雌器托

ジンガサゴケ・雌器托

ジンガサゴケ・雌器托

今回の話題はゼニゴケです。ゼニゴケというとどちらかと言えば嫌われ者のイメージですが、コケの仲間は、植物が水中から陸上に進出し進化してきた足跡をとどめる貴重な存在です。中学1年生の授業でも必ず登場します。春になり我が家の庭で元気になってきたゼニゴケを紹介しましょう。

ゼニゴケには茎と葉の区別がありません。体の本体で葉のように見える部分は葉状体と呼ばれています。本来の植物にある維管束すなわち道管や師管はなく、仮根はあり地面にへばりつきますが、水分は葉状体の表面から吸収します。こんな点が水中生活の海藻などと共通している特徴です。

葉状体にある小さなカップのようなものは杯状体といい、ここでは無性芽が作られクローンで仲間を増やします。一方、雌雄異株で雄株のでは精子が、雌株の雌器托では卵細胞が作られ受精します。これは有性生殖です。その後胞子が作られます。胞子で増えるのは無性生殖です。

庭には他にスギゴケやチョウチンゴケの仲間も見つかります。写真はジンガサゴケ。今の時期、ゼニゴケよりもたくさん見られます。葉状体はゼニゴケに似ていますが、「カサ」の形が違います。このカサは雌株の雌器托。名前の通りの「陣笠」ですね。

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