カラシナ
聖蹟桜ヶ丘から京王線で多摩川を渡ると、河原の水際に沿って黄色い菜の花が咲いているのがよく見えます。近くできちんと確認してはいないのですが、この菜の花はアブラナではなくカラシナだと思います。共に野菜として食用や菜種油用に移入され野生化したものです。多摩川や浅川では両方見られますが、カナシナの方がやや遅れて咲き、場所によってはほとんどカラシナばかりの所もあります。
アブラナとカラシナの違いを簡単にまとめてみましょう。一つひとつの花はカラシナの方が一回り小型で、花びらもやや細身です。花の穂も、アブラナは花をびっしり詰めて丸くなったボリューム感を感じさせますが、カラシナは穂が上に伸びて花と花の間に隙間ができばらばらとしたイメージです。カラシナの場合は、遠くから見ると、緑の葉や茎がアブラナよりも目立ちます。京王線の車窓からの観察ではこんな違いからカラシナと判断しました。
そして、はっきりとした大きな違いは葉の形や付き方です。アブラナは葉が茎を抱くように付いています。また、カラシナの葉は回りのギザギザ(鋸歯)がはっきりしています。ただしこれには個体差もあり、最近ではアブラナとカラシナの交雑種も現れているとのことですから、やはり決め手は葉の付き方です。連休中もまだ見られそうです。是非確かめてみて下さい。
2017年4月28日 有岡 淳
カテゴリー:植物
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