キブシ
前回紹介したミヤマセセリを観察した場所に咲いてたキブシの花です。咲いているとは言え花びらが大きく開くわけではありませんから、慎ましやかに花の穂を垂れているといった感じです。それでも3~4mの木全体に付けた花は大変な数になります。まさに今満開の花盛り、12日の撮影です。
私にとってキブシは、まだ寒さの残る雑木林で他の樹木に先じて花をつける春の先駆けとしての存在ですが、今年は少し遅いのでしょうか。すでにサクラは満開を過ぎ、この2~3日は20℃を越えるぽかぽか陽気です。私のイメージとはちょっと異なります。株によっても個体差があるのでしょうか。4日に観察した時には穂の半分ほどの花が開いていました。いつもは3月中にやっと花が開き始めまだ黄色いつぼみを垂れ下げている状態を目に留めていたのかも知れません。
花を拡大してみました。黄色い花びらの中におしべとめしべがよく分かります。ところがキブシは雌雄異株とのこと。雌株の雌花はおしべが退化しめしべの子房が発達しています。とすればこの写真は雄花? さらに調べたところ、雄花の中にもわずかながら結実する両性花もあるとのことです。さしずめ両性花状の雄花と言ったところでしょうか。さて、今回観察した株から結実するものが現れるのでしょうか。夏の観察を楽しみにしています。
2017年4月17日 有岡 淳
カテゴリー:植物
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