続報・オオスズメバチの女王

先日の女王(?)再発見

先日の女王(?)再発見

体を起こして動き始めました

体を起こして動き始めました

先日のブログで、越冬中のオオスズメバチの女王を紹介しました。残念ながら行方不明になってしまったと書きましたが、うれしいことにもとの同じ洞の中にまた見つかりました。3月6日のことです。洞の中の隙間や積もっていた土も掘り返して見たつもりでしたが、探し方が悪かったのでしょうか。今回は洞の底にかなり無防備に仰向けになって転がっていました。

せっかくの機会ですから、生物室に持ち帰り様子を見ることにしました。改めて大きさを測ったところ体長は4㎝。初めは横向きになって足を動かす程度でしたが、次第に上の写真のように起き上がるようになりました。室内の温度は18℃くらいです。腹部の伸縮運動の頻度も増し呼吸活動も活発になってきました。昆虫は気門から取り入れた空気を気管を通じて全身に送ります。その気管の一部が袋状に拡大して気嚢となっており、腹部を伸縮させることによって気嚢内部の空気を入れ換えているのです。

あまり元気になってもらっても困るので、小さなタッパーに入れて少し涼しめの所に置き、夕方からは4℃の冷蔵庫に入れました。この頃の最低気温は0℃くらいですから冷蔵庫でも温度が低すぎることはないと判断しました。翌日は朝から室内に出し、夕方はまた冷蔵庫に戻しました。冷蔵庫から出したばかりの時はさすがに足を少し動かす程度ですが、昼には体全体を動かすような状態でした。

ところが、11日に見ると全く動きません。昼になってもう一度確認しましたがやはり動きません。残念ながら死んでしまったようです。小さなタッパーだったのがいけなかったのでしょうか。かわいそうなことをしてしまいました。秋の終わりには一つの巣から複数の新女王候補が誕生しますから、集団の維持としては心配することはないと思いますが、もっと丁寧に見てあげなければいけなかったと反省しています。標本にして保存します。

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