ムラサキシキブ

ムラサキシキブ(11/11)

ムラサキシキブ(11/11)

桜ヶ丘公園の雑木林の一角でムラサキシキブを見つけました。紫色のきれいな実が魅力的です。最近は園芸用のものを庭先でも見ることもありますが、やはり自生のもの(だと思います)は自然の中での美しさがひと味違いますね。3mを越える大きな株ですから、長い間この雑木林の一員として、多摩丘陵の自然を守ってきているのだと思います。

ムラサキシキブは何と言ってもそのネーミングがステキです。もちろん「紫式部」ですが、もともとは「ムラサキシキミ」と呼ばれていたとのことです。「シキミ」とは「重る実」です。他にジュウニヒトエ(十二単)やウラシマソウ(浦島太郎)、アツモリソウ(平敦盛)など、歴史や古典に由来する命名は、日本古来の自然を感じることができます。

近い種類にコムラサキがあります。ムラサキシキブよりはやや小振りで、実が固まって付くのが付くのが特徴です。コムラサキの画像が無く申し訳ありませんが、写真のムラサキシキブの実の付き方は「ややまばら」な状態です。園芸用に「ムラサキシキブ」として出回っているものはほとんどが「コムラサキ」だと思われます。

写真のムラサキシキブの葉には、葉の縁全体にギザギザ(鋸歯)があるのが分かりますか。コムラサキの葉にはこの鋸歯が上半分にしかないところも違います。他にヤブムラサキもあります。こちらは実がやや大きく、がくが残っているのが特徴です。来年は是非写真に収めて紹介したいと思います。

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