ムラサキシジミ

ムラサキシジミ(9/22)

ムラサキシジミ(9/22)

シラカシの生け垣で見つけました

シラカシの生け垣で見つけました

3つ前(9/8)のこのコラムで羽化の様子を紹介したのは「ムラサキツバメ」、今回は「ムラサキシジミ」です。近縁種で、ムラサキシジミにはムラサキツバメにある尾状突起がありません。シラカシを生け垣にしているお宅で見つけました。チョコチョコという感じで飛んできたのですかさず3~4枚写真を撮ったのですが、この後すぐに植え込みの中の方に潜り込んで見えなくなってしまいました。

それでもはっきり紫色が確認でき、その紫色が鮮やかではっきりしていること、また翅の周りの黒い部分がやや広いことからメスであることもよく分かります。越冬した成虫が春に卵を産んで親になり、年に3~4回世代を繰り返します。10月以降に羽化した成虫はそのまま越冬するのですが、この個体は前の世代の生き残りなのでしょうか。

ムラサキツバメは2000年以降に生息域を拡大し都内でも見られるようになった新参者ですが、ムラサキシジミは以前から多摩丘陵に定着していて数も多い顔なじみです。アラカシやシラカシなどの照葉樹(常緑広葉樹)を幼虫の食樹とするほかに、クヌギやコナラなどの落葉広葉樹も利用できることから、多摩丘陵の雑木林は安定した住みやすい環境なのだと思います。学校裏の神社でもよく見かけますが、ここではカシの仲間の方を好んでいるように感じます。

新参者のムラサキツバメはマテバシイとの特異的な関係で、数は少なくともすぐに幼虫を見つけることができるのですが、数の多いムラサキシジミは逆に生活圏も広いせいか、卵や幼虫を見かけたことはありません。前回紹介した「アリを奴隷化している幼虫」の報告はこちらのムラサキシジミの研究ですから、是非幼虫を見つけたいと思います。

 

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