マルカメムシ

マルカメムシ(5/6)

マルカメムシ(5/6)

点描画のような模様

点描画のような模様

少し前の話題となります。連休の最後に町田の小山田緑地を歩いた日のことです。3回前のコラムでクズの茎にいたオジロアシナガゾウムシを紹介しましたが、別のクズの若い茎ではマルカメムシを見つけました。一見するとテントウムシのような甲虫の仲閒のようにも見えますが、例の臭い匂いを発するカメムシの仲閒です。越冬していた成虫が4月の終わり頃から活動を再開し、クズやフジなどのマメ科の植物に集まってきます。

5㎜くらいの小さなカメムシです。「マル」とありますが、まん丸ではなくちょっといびつで末広がりの五角形。他の昆虫には見られない特徴的な形です。私は魅力的だと感じていますがいかがでしょうか。茶色い体はお世辞にも美しいとは言えませんが、拡大してよく見ると、黄土色の体に黒い点がちりばめられているんですね。点描画のようでこれまた魅力的です。

今回は10匹ほどの小さな集団でしたが、時には100匹を超える集団になることもあります。それどころか、10年ほど前、驚く無かれ数千匹の大集団に出くわしたことがあります。さすがに仰天しました。季節は今回と同じ5月の上旬、場所は高尾の霊園です。1m足らずの若いフジの木にそれこそビッシリ、枝という枝を埋め尽くしていました。例の匂いがカメムシ自身にとっては集合フェロモンのように働いているのだと思います。

クズにはウラギンシジミというチョウも産卵し幼虫の食草になっています。昆虫たちにとっては絶好のすみかであり食料でもあります。空き地の雑草が生物の多様性を育んでいると言えますね。今度はそのウラギンシジミを探してみたいと思います。

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