ヒメジャノメ・ヤマトシジミ

ヒメジャノメ(10/27)

ヒメジャノメ(10/27)

ヤマトシジミ(11/2)

ヤマトシジミ(11/2)

ヒメジャノメ

ヒメジャノメ

コジャノメ

コジャノメ

11月になり、夏を賑わせた生き物たちの姿もめっきり少なくなってきました。チョウの世界も同様です。それでもこの数日、10種類ほどのチョウの姿を目にしました。これらの中にはキタテハやウラギンシジミなど成虫で越冬する種類もいますが、写真のヒメジャノメやヤマトシジミなどは幼虫で越冬するタイプの仲間です。さすがに飛び方は弱々しく、その姿は、すでに子孫を残して、最後の命をゆったり過ごしているようにも感じられました。

ヒメジャノメは、越冬した幼虫が4月末に蛹になり、5月中旬から成虫が見られるようになります。近い種類のコジャノメとよく比較され、コジャノメが雑木林の林床で見られるのに対し、ヒメジャノメは雑木林の周辺や畑の周りなど開放的な環境を好むようです。コジャノメは春と夏の2回発生し、9月頃には成虫が見られなくなりますが、ヒメジャノメは春、夏、秋と3回発生するため、10月過ぎまで成虫が見られる点が異なります。それにしても10月末の観察例はかなり遅い方ではないでしょうか。眼状紋などの模様もよく似ていますので、自然科学部の生徒たちにとっては、図鑑できちんと調べて種を同定する絶好の練習台になっています。ちなみに今回撮影したヒメジャノメは、後翅の裏に太く盛り上がる部分があることからオスと判断できます。

ヤマトシジミは最もポピュラーなシジミチョウでしょう。幼虫はカタバミを食草としています。道路脇の隙間などカタバミが少しでも生える空間があればどこでも見られますから、名前は知らなくとも誰もが目にしたことのあるチョウだと思います。毎年最も遅くまでまで確認されています。これからも目にする機会があると思いますので、いつ頃まで見られるのか注目して欲しいと思います。

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