ツルボ

ツルボ(9/5)

ツルボ(9/5)

ツルボ(普通の花)

ツルボ(普通の花)

ツルボ(不稔性の花)

ツルボ(不稔性の花)

9月に入り、雑木林の縁や田んぼの周りの土手にツルボの花が目立つようになりました。写真は学校裏の神社で撮ったものです。狭い範囲ですが部分的に群生している所もあり、ひときわピンク色が美しく映えています。8月の終わり頃から咲き始めますので、私にとっては、夏休みが終わり2学期の始まりを感じさせる花の一つになっています。

小さな花がたくさん集まって穂のようになり、下の方から順番に咲き始めます。ユリ科の植物ですので一つひとつの花のつくりは大きなユリの花と同じで、花びらとがくを合わせた花被片が6枚、おしべも6本、そして真ん中にめしべが1本あります。めしべのもとには丸くふくらんだ子房がよく分かります。花被片をやや反り返り気味にしっかりと広げ、おしべも四方にツンと伸ばしており、精一杯咲いているという印象を受けます。

面白いことに、春と秋にはっきりと時期を分けて2回葉を出します。5月頃にはひとつの球根から5~10枚の葉を出し、一生懸命光合成を行い球根に栄養を蓄えると、夏には枯れてしまいます。秋の葉は1~3枚程しか出てきませんが、これと合わせて花茎を出し先端にピンクの花穂をつけるのです。

ピンクの花に混ざって、時々、やや茶色味がかった花を見かけることがあります。毎年見つけますので注目していたところ、この花には実がつかないことが分かりました。上の写真で実のように見えるのはこれから咲くつぼみです。確証はありませんが、ツルボには染色体が2倍体のものから5倍体のものまであるようですので、この個体は3倍体か5倍体の不稔性の個体なのかも知れません。どなたか情報をお持ちの方、教えて下さい。

ご意見・関連情報などありましたら、こちらまでご連絡ください。