ゴマダラカミキリ

ゴマダラカミキリ(7/20)

ゴマダラカミキリ(7/20)

白い斑点の正体は・・・

白い斑点の正体は・・・

夏休み、昆虫少年達のお目当てはカブトムシやクワガタでしょう。といっても学校周辺でもカブトムシやクワガタは少なくなっているようですし、そもそも昆虫少年そのものが「絶滅危惧種」になりつつあるのが心配です。そんな中、カミキリムシを捕まえて喜々としている少年に出会いました。手に持っていたのはゴマダラカミキリ。学校裏の神社で捕まえたそうです。

黒光りした体に白い斑点が美しいですね。脚や触角が青味がかっているのも特徴的です。雑木林だけでなく公園や住宅地でも見られる普通種ですが、やっぱりカミキリは格好いい。長い触角が何とも言えません。オスの触角はメスより長く、メスが体より少し長目程度なのに対して、オスは体長の2倍近くになるものもあります。この個体はメスでした。

その格好良さからカミキリの魅力に惹かれる人はたくさんいます。昆虫の愛好家は「虫屋」と呼ばれていますが、その中で「カミキリ屋」さんは「チョウ屋」に次ぐ勢力を占めているのではないでしょうか。前任校の同僚のI先生もその一人、というより専門家でした。大学での研究テーマもカミキリで、日本全国900種ほどがすべて頭の中に入っているようでした。

ゴマダラカミキリは、食樹がミカン類を始め、クワ、クリ、イチジク、ヤナギ、街路樹のプラタナスなど非常に幅広いため、住宅地でも見られます。今年は7月になって我が家の庭で2回、近くのお宅の庭先でも2回見かけました。私としてはうれしい限りですが、幼虫が生木で育つため、ミカン農家などにとってはやっかいな害虫で、一匹のカミキリが食い込んだために若いミカンの木が枯死することもあるとのことです。ちなみにカミキリムシは「髪切り虫」です。

さて、ゴマダラカミキリの白い斑点を拡大したのが右の写真です。単なる白いペイントではなく白い毛が密集しているんですね。本校の小学生向けイベントでチョウの鱗粉やトンボの複眼などを顕微鏡で見てもらう企画があり、この時私自身初めて気がつきました。以来文化祭や学校説明会などでも皆さんに紹介し好評です。こんな事から昆虫に興味を持ってもらえれば幸いです。昆虫少年の復活を願いたいものです。

 

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