生物室のオオミジンコ

オオミジンコ

オオミジンコ

今回は生物室のオオミジンコの話題です。ミジンコは「微塵子」とも書きますから、ともかく「小さい!」ものの代名詞のようにイメージされていると思います。確かに日本に生息するミジンコは2~3㎜程しかありません。ところが今回紹介するオオミジンコは大きさが5~6㎜にもなり、肉眼でも泳いでいる様子や卵の様子がよく見えます。初めて見る人は、ほとんどの人が「え?こんなに大きいの!」とビックリしています。そして、すごくかわいいんです。

ミジンコはエビやカニに近い甲殻類で、透明な殻を通して体の中の消化管や背中の育房に産まれた卵などが透けるように見えます。これが実に美しいです。眼がちょこんとついて、鼻先(口吻)がとんがっている様子も愛嬌があります。泳ぐときに動かしている手のように見えるものは実は触角です。ともかく見ていて飽きません。癒される感じがします。条件が良いとメスだけでどんどん子供を産んで増えます(単為生殖といいます)ので、これも飼育している楽しみになります。

さて、本校自然科学部ではこのオオミジンコを飼育し実験を続けています。2月16日(日)にはその研究成果を東京生物クラブ連盟主催の「生物研究の集い」で発表しました。昨年は「環境の悪化によるオスの出現条件」、今年は「密度による生育の変化」をテーマにした研究発表です。今回の発表者は高1の安藤君と座間君。研究結果を外部に発信することは非常に大切です。彼らはこの発表で自信をつけ確実に力をつけていると思います。

生物室のオオミジンコは、東京薬科大学生命科学部の応用微生物学研究室からいただき継続的に飼育しています。北米原産で研究用に飼育されているものです。同研究室とは長くお付き合いをさせていただき、T先生、大学院生のM君にはミジンコを用いた特別授業や、チョウやホタルの遺伝子解析の指導をお願いし大変お世話になっています。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

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