ヨコヅナサシガメ幼虫

ヨコヅナサシガメ5令幼虫(1/23)

ヨコヅナサシガメ5令幼虫(1/23)

集団で越冬中(1/23)

集団で越冬中(1/23)

ほとんど虫の姿を見ることができない寒い日の続く中で、うじゃうじゃと群がって越冬しているカメムシがいます。ヨコヅナサシガメの幼虫です。サクラの木のくぼみに多いものでは100匹を超える数で集団をつくっています。私はカメムシ大好きですからウキウキ(?)しますが、多くの人にとっては「え~!何これ!気持ち悪い!」というのが実感でしょう。ほとんど動くこともなく重なり合ってじっとしています。そこがまた不気味な印象を与えます。

ヨコヅナサシガメの成虫は2㎝を超え、日本に生息するサシガメの中でも最も大きくまさに「横綱」の風格を感じさせます。体の周りにある白黒の模様を横綱の化粧まわしに見立てたネーミングともいわれています。カメムシはセミと同じ仲間ですので、針のような口吻を植物の茎や実に刺して汁を吸って生きていますが、その中でサシガメの仲間は肉食性で他の昆虫やケムシの体液を吸って育ちます。

東南アジア原産で昭和初期に九州に移入したと考えられています。20年ほど前から関東地方にも生息域を広げてきたようで、私も10年前に初めて確認しました。ところが今年改めて注目してみると、学校周辺だけでなく私の自宅近くの八王子の長沼公園や北野の神社、浅川沿いなどいたる所で幼虫の集団を見つけました。サクラだけでなくコナラの木でも確認しました。この様子だと多摩丘陵の広い範囲で大量に生息しているのではないかと予測されます。

今は1㎝以上になった5令の幼虫です。初めて見つけたのは昨年の夏休み。この時は1~2令の小さな幼虫でした。その後約半年、ずっと同じ場所で少しずつ成長しています。羽化して成虫になるのは4~5月です。どのくらいの数が生き残って成虫になるのか楽しみに観察を続けたいと思います。

 

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