サザンカの花

構内のサザンカ(12/2)

構内のサザンカ(12/2)

花びらが1枚1枚落ちます

花びらが1枚1枚落ちます

変わった花びら

変わった花びら

12月、日に日に寒さが厳しくなる中、サザンカの花がきれいな花を咲かせています。♫さざんか さざんか咲いた道 たき火だ たき火だ 落ち葉焚き♫と童謡に歌われるサザンカです。日本のよき風情を歌ったものですが、都会ではサザンカの垣根や落ち葉で焚き火をするような光景は見ることができなくなってしまいました。しかも、この童謡を知っている生徒もいなくなってしまいました。

サザンカはツバキの仲間ですが、ツバキは花全体がポロッと落ちるのに対し、サザンカは花びらが一枚一枚落ちるのが特徴です。構内では、西側の通用口付近で、イロハモミジの落ち葉のカーペットの上に、サザンカのピンクの花びらがちりばめられています。また、ツバキが1~2月頃から春先にかけて咲くのに対し、サザンカは11月終わり頃から咲き始めます。今頃咲いているのはサザンカだと思って間違いないでしょう。本来の野生のサザンカは白花の一重咲きですが、園芸用に改良され色や形は他種多彩です。中にはツバキとの交配種もあり、ツバキ自体もさまざまに改良されているので、両者の区別は分かりにくいですね。

そのサザンカの花びらに変わり種を見つけました。花びらが小さく、縁にはおしべのすじ(花柱)と花粉のできる葯がついています。八重咲きの花はおしべが花びらに変化していると考えられていますが、その途上にあると思われる花びらです。最近では、花を作る遺伝子のしくみとして「ABCモデル」というものが知られています。AとBの遺伝子が同時に働くと花びらができ、BとCが働くとおしべになります。近くに位置する細胞内での遺伝子のはたらきの違いが花の各部分を作ることになります。変わり種の花びらはこの遺伝子のはたらきが微妙に狂ってしまったのだと考えられます。

さて、サザンカは「山茶花」と書きます。これちょっと変だと思いませんか。漢字をそのまま読めば、「さんじゃか」→「さんざか」です。実は昔は「サンザカ」と呼ばれていたようですが、江戸時代中頃から音が転倒して「サザンカ」と呼ばれるようになったとのことです。

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