八坂神社のスダジイ

八坂神社のスダジイ

八坂神社のスダジイ

多摩市教育委員会の案内板

多摩市教育委員会の案内板

日本の植生分布(サイエンスビュー〔実教出版〕より改変)

日本の植生分布(サイエンスビュー〔実教出版〕より改変)

前回のコラムの中で、「学校裏の神社には大きなスダジイの木があり、毎年たくさんのどんぐりを落とします」と書きました。このスダジイ、実は多摩市の天然記念物に指定されているとても大切な木なのです。多摩市では、過去から伝えられてきた自然や先人の遺産を「指定文化財」として保護・保存に努めています。現在、ケヤキ、ムクノキ、シダレザクラなど8本の樹木が市または都指定の天然記念物に指定されており、その1本がこの「八坂神社のスダジイ」です。

樹齢は400年と推定され、案内板には、「目通り幹囲東側3.2m、西側2.6m、高さ17m、根回り4.6m、枝張りは各方面に11mあります。多少枯損が目立つものの樹勢は大変良好です。約1mの高さから、大きく3つに分かれさらに枝を分けて、周囲に樹木がないこともあって、半球状のきれいな形状を示しています。」と記されています。

日本の植生分布は、図にある通り、針葉樹林、夏緑樹林、照葉樹林、亜熱帯多雨林に分かれています。 夏緑樹林の代表は白神山地などで有名なブナ。これは冬に葉を落とす落葉広葉樹です。これに対し暖地系の照葉樹林は、シイやカシなど常緑広葉樹の林で、もし東京が自然のままであったならスダジイの林が中心の生態系になっていたと考えられています。

照葉樹林の代表として「生物」の教科書に必ず登場する樹木ですが、都市部では、寺社林や屋敷林としてわずかに残されるだけになってしまいました。そんなスダジイの大木を目の当たりにして見ることができるのですから、聖ヶ丘はやっぱり自然豊かでステキな所だと思います。案内板には「このしいの木の古穴には、白蛇が住みついていると昔から伝えられています」とも記されています。是非一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

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