カラフルカイコ

おしゃれな(?)カイコ

おしゃれな(?)カイコ

まゆもカラフル

まゆもカラフル

今年もカイコがやってきました。東京都の生物教育研究会が教材用として配布しているもので、八王子の養蚕農家から入手しているそうです。本校では毎年、中学2年生の授業で利用しています。幼虫や蛹の観察を行い、まゆから糸取りも行います。一つのまゆから途中で切れることなく1㎞以上の糸がとれるのには生徒達もビックリ。本物に触れることのできる生きた教材です。

いただいてきたのは9月18日。4齢幼虫から脱皮して5齢(終齢)幼虫になったばかりの個体です。大きさは3㎝ほどでまだほっそりしています。これがえさを食べ始めると1日ごとに大きくなり、数日後には大きさは倍の5~6㎝、ふっくら太って立派なカイコになります。そして1週間から10日経つとまゆを作り始めます。今回は早いもので9月27日から糸を吐き始めました。えさは人工飼料と近くでとってきた桑の葉です。

そのカイコにちょっと細工をしてみました。おしゃれなカイコだと思いませんか。マーカーで塗ったわけではありません。ニュートラルレッドとナイルブルーという色素をえさに混ぜて育てたものです。 両者とも生体染色用の色素で、細胞に取り込まれて蓄積し大きな害はありません。一度えさに混ぜただけで写真のような色になります。青紫色の個体は、ニュートラルレッドとナイルブルーのブレンドです。この方法は都立高校のN先生に教えていただきました。

まゆもうっすらと色づきます。もう少し濃い色になると良いのですが、今回は一度しか色素を与えなかったからでしょうか、本当にうっすらとしか染まりませんでした。糸もとることができます。ほのかに染まったピンクの糸でドレスなどができたら素晴らしいですね。最近では、遺伝子組み換えにより蛍光色の生糸もできているようです。カイコ自身にはちょっとかわいそうなのかも知れませんが、さらに研究が進んでカラフルな生糸ができるのが楽しみです。

 

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