イネの花

8/16 11時頃撮影

8/16 11時頃撮影

朝6時頃。水滴がレンズになっています。

朝6時頃。イネの朝露。水滴がレンズになっています。

本校自然科学部の夏合宿や夏の研修旅行で東京を離れていたため、2週間ぶりの「生き物ウォッチング」です。気になっていたイネの花をやっと写真に収めることができました。学校周辺のイネは、早いところでは8月の初めから穂を出し始めていました。なかなか足を運ぶことができず、田んぼを訪れたのが16日。その田んぼではすでに花は終わり、穂が垂れ下がり始めていました。少し足をのばして別の田んぼで写したのがこの写真です。

イネの花は10時頃から咲き始め、お昼頃にはもう閉じてしまいます。この写真は11時頃に撮影したもので、開花後30分ほど経ったものです。イネの花には花びらはありません。籾殻にあたる部分を穎(えい)と呼び、これが割れると中からおしべが現れます。おしべは6本で先端には白い葯がついています。おしべの根元には先端がブラシ状になっためしべがあります。写真でも分かるでしょうか。イネは風媒花ですから花粉がつきやすいようにめしべの柱頭が変化しているのですね。

穂が出て実りに向かう頃の田んぼは独特の匂いがします。いくつかある田んぼの中に母の実家の田んぼと同じ匂いのする田んぼがあります。その田んぼに行った時、田舎の夏休みの匂いが鮮明によみがえりました。50年も前の匂いを覚えているのですから、匂いの記憶というのは実に不思議なものです。あの時もちょうど今と同じ夏休みのお盆の頃だったのだと思います。

さて、この日は朝一番で田んぼに行ってみました。もちろんまだイネの花は咲いていません。朝6時前、イネの葉先についた雫がきれいでした。根から吸収した余分な水分が葉先から分泌されたものです。カメラに収めたところ、ビックリ! 後ろの景色がレンズのように写っているではありませんか。いいものを見ることができました。早起きは三文の徳ですね。

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