コウヤマキのパイナップル

パイナップルに見えませんか?

パイナップルに見えませんか?

構内の一角で見つけた写真です。かわいいパイナップルのように見えませんか?コウヤマキの果実(松ぼっくり)です。学校入り口のスロープを上がった守衛棟の奧に記念樹として植えられています。頭の先から短い葉が飛び出ているところがちょっと滑稽でかわいらしいと思いませんか。これまであまり注目していませんでしたが、先日、植物に詳しい農工大のT君にいろいろと教えてもらったところ、貴重な木ということがよくわかりました。

コウヤマキは大きく言えばマツやスギの仲間ですが、独立したコウヤマキ科に分類され、この科は1属1種でコウヤマキだけが含まれる特別な科です。そんな特別な存在ででいて、しかも日本の固有種です。大昔(正確なことが分かりませんのでこんな表現で申し訳ありませんが、10万、100万の単位の昔です)は、世界中に広く分布していたと考えられ化石も見つかっていますが、今は自生地が日本と韓国の済州島に限られています。

日本では本州・四国・九州に自生しており、高野山に多く見られることから名前がつけられました。 材質が樹脂が多く丈夫で水に強いため、古代からお棺や水桶、橋杭などに利用されていたそうです。樹形が円錐形で美しく、世界三大造園木として知られており、本校でも大学院の卒業記念樹として植栽されているものです。

コウヤマキの特徴の一つに、根粒菌との共生があげられます。マメ科植物が根粒菌と共生し、空気中の窒素を取り入れることはよく知られていますが、マメ科以外でもコウヤマキやヤシャブシ、ハンノキなどが根粒菌と共生関係を持っています。そのため、コウヤマキは尾根筋などの養分の少ないところにも生育できると考えられています。

こんな偉大な(?)コウヤマキに今まであまり関心を示さず申し訳ありませんでした。という気持ちです。パイナップルとの有意義な出会いでした。

 

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