ゲンジボタルが飛び始めました

ゲンジボタル(6/15)

ゲンジボタル(6/15)

夏の風物詩と言えば、浴衣姿に団扇を持って「ホタル狩り」という風景です。これは夏休みのイメージであり、この時に見られるのはヘイケボタルです。もう一つの代表的なゲンジボタルは今が出現の時期にあたります。学校周辺では(場所は秘密にしておきます)先週から姿を現しました。(学校近くの稲城市上谷戸地区では毎年ホタル祭りを開催していますが、これは管理されたもののようです。)数は多くありませんが、暗闇の中をスーッと光の筋を引いていくようすは1匹、2匹だけでも何とも言えぬ美しさで感激します。毎年見ていますがいいもんですね。

秘密(?)の場所は20年以上も前からゲンジボタルとヘイケボタルの生息を確認しており、やや数が少なくなったもののまだまだ両種とも健在です。清水が湧き出る谷戸田の環境が残されていること、住宅地から離れており街灯などの影響も少ないことが生息し続けることができる条件になっていると思われます。他にも生息を確認している場所がありますが、これは本当に秘密にしておきます。

ゲンジボタルは日本で最も大きく明るく光ります。東日本と西日本では地域差があり、東日本のものは4秒間隔、西日本のものは2秒間隔で点滅します。私は西日本でホタルの点滅を見たことはありませんが、地元びいきで、4秒の間隔でゆっくり点滅している方が趣があるように感じますね。西表島で大量のヤエヤマボタルの点滅する光景を見たこともあります。チカチカという短い間隔の点滅であれはあれで圧巻ですが、趣という点では東日本のゲンジボタルに軍配を上げたいと、これまたひいき目にそう思います。

本校の自然科学部では、学校周辺の数カ所のゲンジボタルとヘイケボタルの遺伝子解析を行い、それぞれの個体が東日本(関東地方)固有の種であることを明らかにしました。東京では他地域から移入されたホタルが人為的に放されているケースもあります。これからも学校周辺のホタルとその生息環境を大切に保全したいものです。

 

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