スズムシ

スズムシ(9/3)

スズムシ(9/3)

同上

同上

羽化したての成虫

羽化したての成虫

今、生物室ではスズムシの大合唱が聞こえています。オスが50~60匹いますのでかなりの音量で、お昼の2~3時間を除いて朝から夕方まで鳴き続けています。贅沢な話ですが、「秋の風物詩」の趣を超えてうるさいくらいな感じです。5月に高校3年の山本優美さんが届けてくれたふ化したての幼虫が、立派に育って8月中頃から成虫になりました。

最初は3~4㎜の小さな体でした。餌は市販の「スズムシのエサ」と定番のナスとキュウリ。少しずつ大きくなりましたが、餌の減り方は少なく、あれだけの餌でよくここまで大きくなったなと驚いています。オスの成虫は2枚の前翅をこすり合わせて声を出します。よく聞いていると、若い成虫はリーンリーンという澄んだ声ですが、徐々にジリジリという濁った音が混ざってくるようです。翅がすり切れてくるのでしょうか。写真の個体は翅が破れて穴が開いていました。

虫の声を聞く文化は平安時代から貴族階級の間で流行していました。やがて庶民の間にも広まり、江戸時代中期に登場した「虫売り」は昭和になっても続いていました。第二次世界大戦の戦災で虫の問屋が全滅し一時中断。その後はデパートなどで売られるようになり、今や通販で購入する時代です。

今週末の文化祭で展示します。是非、古来からの「聴く虫文化」を堪能して下さい。

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