アオオサムシ

飼育ケースの中、土に潜ろうとしているようです

飼育ケースの中、土に潜ろうとしているようです

ミミズを餌に与えています

ミミズを餌に与えています

用務の泉谷さんがオサムシを届けてくれました。種類はアオオサムシ。関東地方では最も普通に見られるオサムシです。学校裏の駐車場に続く階段で見つけたそうです。ここは校舎の影になり日当たりの悪いというかほとんど日の当たらない場所ですが、時々このオサムシを見つけます。そもそも夜行性の昆虫ですから、昼間見かけるとしたらこんな薄暗い場所がポイントとなるのでしょう。落ち葉の下でミミズなどを好んで食べる肉食の昆虫です。

「アオ」と名のつく通り、緑色の金属光沢を持つ美しい昆虫です。これを美しいと感じるかどうかは個人の趣味になりますが・・・。私には、タマムシの輝きにも増して落ち着いた渋みのある光沢に感じられます。写真ではわかりにくいですが、もっと明るい緑色に輝くのものもいます。漫画家の手塚治虫氏もオサムシに魅せられた一人で、本名の「治」にあえて「虫」をつけて「治虫」とし、若い頃は「おさむし」と読ませていたというのは有名な話です。

オサムシの仲間は後翅が退化し飛ぶことができません。ですから生息地域も地域ごとに隔離され、同じアオオサムシでも9つほどの亜種に分類されています。関東地方でも多摩川以西のものは原名亜種の「アオオサムシ」、多摩川東北部に当たる埼玉県などのものは「カントウアオオサムシ」と区別されています。遺伝子から見た進化の系統などの研究も進んでおり興味深い昆虫です。

せっかくですからしばらく飼育してみましょう。担当は自然科学部の清水君と古藤田君。これからエサのミミズ採りが大変です。

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