シャガの花はめしべも花びら?!

シャガ(4/19)

シャガ(4/19)

シャガのめしべ

シャガのめしべ

中学1年生の授業が始まりました。1年生の理科生物分野の授業は植物のつくりと働きがテーマ。今日はシャガの花の観察です。学校のシャガは今がまさに満開で、校舎裏の土手や体育館棟の脇にたくさん咲いています。一人一つずつじっくり観察して花のつくりを調べました。

生徒が観察をして最初に気がつくのは、形の違う花びらが3枚、3枚、さらに内側に小さな鳥の羽のような花びらが3枚見つかり、がくが見あたらないこと。「がくはどうしたの?」と質問すると、「とれてちゃったんじゃないの?」「もともと無い!」などの声が聞こえます。ここで生徒に見せるのがチューリップの花。チューリップにもがくは見あたらず、花びらは外側の3枚と内側の3枚に分かれています。そこで生徒達は「外側の3枚はがくじゃないの」と気がつきます。

シャガはアヤメ科、チューリップはユリ科ですが、アヤメやユリやランの仲間は、がくが花びらのように変化しており、がくに相当する3枚を外花被片、花びらに相当する3枚を内花被片と呼んでいます。シャガの場合、黄色と紫色の模様の入ったきれいな方が外花被片です。

花をスケッチした後、外花被片と内花被片をそうっと取り外していきます。すると緑色の子房に繫がっためしべが現れます。ここでビックリ!めしべの先端が3枚の花びらのように変化しています。最初に見えていた鳥の羽のようなものは実はめしべだったのです。美しく美しく見せようとした結果、がくもめしべも花びらのように変化してきたのでしょうか。生物の進化を考えさせられるよい教材だと思います。

それだけ美しく着飾っていろいろな虫を呼び受粉してもらおうとしたのでしょうが、日本に生育しているシャガは3倍体で種を作ることはできません。根茎の先から新しい芽を出し増えていきます。ですから、日本のシャガは全て遺伝子的には同一のクローンだと言われています。

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