スイセン
いろいろな所からウメの便りが聞かれるようになりました。今日(2/16)、明日は4月上旬の春の陽気になるようです。その春を待つまでの間、冬の寒さの中でもずっと咲き続けてくれたのがスイセンの花です。スイセンにはたくさんの品種がありますが、今咲いているのは小さな花が房のように咲くいわゆるニホンスイセン。12月から2ヶ月近く咲き続けています。
もともとは地中海沿岸が原産の園芸品種ですが、野原や海岸近くで半ば野生化して大きな群落をつくっている風景を見かけることがあります。学校の花壇でも誰が世話をすることなく毎年咲き続け株も大きくなっているようです。ただし、学校のスイセンは中の黄色い部分が白い花びらになった八重咲きになった品種です。
さて、その花の真ん中にある黄色い部分は何なのでしょうか。スイセンはヒガンバナ科に属します。この科の特徴は、がくが花びらのように変化した3枚の外花被片と、本来の花びらである3枚の内花被片からなります。これが外側の白い部分です。ですから黄色い部分は本来の花びらではなく、副花冠と呼ばれています。その副花冠をよく見るとおしべがこの副花冠の途中から付いているのが分かります。実は副花冠はおしべに由来するものなのですね。一度確かめてみてください。
2017年2月16日 有岡 淳
カテゴリー:植物
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