ナガミヒナゲシ

ナガミヒナゲシ(3/31)

ナガミヒナゲシ(3/31)

野猿街道沿いの交差点(4/9)

野猿街道沿いの交差点(4/9)

4月になり、道端の花の種類もグッと増えてきました。その中で一際目を引くのがナガミヒナゲシのオレンジ色の花です。3月下旬から咲き始め、通勤途中の道路脇で急に目立つようになりました。アヘンの原料となるケシと同じ仲間ですが、麻薬に繫がる物質は含まれていませんので安心です。アヘンは花が終わった後の丸い実から取り出します。この実が細長いことから「ナガミ」と呼ばれています。

このナガミヒナゲシ、多摩地域では最近急に増えてきていると思いませんか。地中海沿岸を原産地とする帰化植物で1961年に世田谷区で確認されたのが最初の記録とされています。以来、あっという間に日本全国に広がりました。一つの実の中に1000個以上の種を作ってまき散らし、車などにもついて全国に運ばれているようです。最近は畑の周りなどでも見かけるようになりました。華やかで嫌いではありませんが、どんどん外来生物に侵略されていくようで心配です。

下を向いていたつぼみが上を向いて花を開きます。花びらが落ちた後は、実がそのまま上を向いて付いています。写真でつぼみと実の違いが分かりますか。実のもとになる部分がめしべの子房です。花をよく見ると子房の先端が直接めしべの頭となっているのですね。普通はめしべの先をすっと伸ばした花柱の先端が柱頭となりますが、その花柱がありません。効率よい受粉・受精のしくみでしょうか。

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