「猫よらず」の木とオナガアゲハの幼虫
我が家の庭に数年前から「猫よらず」の木が植えられています。常緑の低木で1m位にはなるようですが、毎年カットしているので今の背丈は40~50㎝です。植えた翌年、この「猫よらず」にアゲハの幼虫を見つけました。「え!?」と首をかしげて調べたところ、この木はヨーロッパ南東部原産のミカン科の植物とのこと。葉の形や木の外観からは「ミカン」とは全く思いもよりませんでした。
確かに柑橘類特有の匂いを発しています。この匂いを猫が嫌がるのでしょう、オーストラリアではよく利用されているようです。その匂いにアゲハは引き寄せられてきます。我が家では毎年幼虫の姿を見るようになっています。ちなみにアゲハは前脚の先に味覚センサーがあり、ミカンの仲間特有のフラボノイドやアルカロイドなどの産卵刺激物質を「味覚」として認識しています。
その「猫よらず」に、今日(9/15)、3匹の若齢幼虫と緑色になった終齢幼虫を1匹見つけました。ところが終齢幼虫をよくよく見るといつものアゲハの幼虫とは違います。アゲハの場合は模様がもっとシンプルです。腹足周辺にあるアゲハ特有の白い模様もありません。クロアゲハだと思い念のため図鑑で調べて見てビックリ。何とオナガアゲハの幼虫でした。正面から見た黒い帯がポイントです。
オナガアゲハはクロアゲハに似ていて、翅が細長いのが特徴です。全国的に珍しいチョウではありませんが数は少なく、聖ヶ丘周辺でも生息は確認されているものの最近の採集記録はありません。私自身幼虫を飼育した経験もありません。そんな貴重なチョウが我が家に来てくれてワクワクしています。しばらく丁重に飼育してみたいと思います。
2015年9月16日 有岡 淳
カテゴリー:昆虫
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