ノコギリカミキリ

ノコギリカミキリ(7/25)

ノコギリカミキリ(7/25)

自慢の触角

自慢の触角

夏休みに入った途端に猛暑日の続く毎日です。休みだからこそ思う存分に野外観察といきたいところですが、この暑さだとさすがに外出をためらいがちになってしまいます。それでもサマーセミナーの合間を縫ってちょこちょこ裏山に足を運んでいます。サマーセミナーは中1から高3までの夏期講習。復習講座や大学受験向け講座に加え、キャンプ実習や京都・金沢での社会科見学、英語のエンパワープログラムなど多彩なメニューが組まれています。

さて、裏山の神社には木の模様を模したコンクリート製の柵があります。その柵が3方向から交わるちょうど交点にあたる窪みに何やら黒光りするものを見つけました。お腹がだけが見えていたので最初はてっきりゴキブリだと思いました。それにしてはやや重厚感があります。お!クワガタ?と思いましたが、窪みが暗くて頭の方が良く見えません。顔を近づけてやっと分かりました。特徴のあるギザギザの触角。ノコギリカミキリです。

その「ノコギリ」の部分を拡大してみました。なかなか見事ですね。ただしこの個体はメスですので、オスの方がさらにギザギザ度がアップして見応えがあります。そんな魅力的な触角を持つノコギリカミキリですが、他のカミキリムシに比べると人気度が劣るようです。一般的なカミキリムシに比べずんぐりしていてスマートさが無く、自慢の触角も長さが短いのがマイナスポイントです。体の2倍にもなる長い触角を持つのがカミキリムシの人気の秘訣ですから。

こうした体の特徴は進化の過程と関係があり、ノコギリカミキリはカミキリムシの中では原始的なタイプと考えられています。そういう意味ではノコギリカミキリは貴重な存在です。ゴキブリに似ているなんて嫌っていないで、標本にして大切に保管したいと思います。ところで、ゴキブリを話題にしていたところ、「ゴキブリを見たことがない」という生徒がいました。よっぽど清潔なお宅なのでしょうね。それにしても、子供たちの虫体験が少なくなっているのは心配です。

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